人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「ナルニア国物語」を観てby R

ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)
C.S.ルイス 瀬田 貞二 C.S. Lewis / 岩波書店

☆ この文章は、R君(14歳)が書いたものです。


僕が「ナルニア」を観終わってまず一番に思ったのは、あそこが
凄かったとか、ここが凄かったということではなく、登場人物
の中の一人が、とても自分に似ているということだった。その
人物は残念ながら、愛らしくて素直なルーシーや、兄弟の年長と
してみんなの世話をみるピーターではなく、「あなたを王様に
してあげるわよ」と言う言葉に乗せられて悪魔のような白い魔女に
兄弟を売り渡そうとしたエドマンドだ。




もちろん彼は兄弟たちが自分のしたことによって、生命の危険に
晒されることを理解して白い魔女に兄弟たちの居場所を教えたり
したわけではない。ただ彼は自分が王様になりたい。そして、自分
に偉そうにする(といってもこれも彼の思い込みなのだが)
ピーターを家来にしてちょっとこき使ってやろう。
フフフ・・・とこれくらいの事しか考えずにしてしまったのだ。

さて、何で彼が僕に似ているとおもったかというとまさに
そういう所だ。彼は大した事も考えずに大した事をしてしまう。
そして、後でしてしまった事の重大さに気付いて嘆く。僕にも
こういうことがたまにある。それに、彼はほんのすこし嘘を
ついてしまう。これに関しては、僕は、おおいに心当たりがある。
要するに、僕がエドマンドと似ていると思った次第は、こういう
悪い部分なのだ。

それと、もう一つ僕が思ったのは、エドマンドが惹かれてしまった
部分。これは人間の最も弱くもろい部分なんじゃないだろうかと
いうことだ。劇中でエドマンドが誘惑された甘~いお菓子。あれは
現代で言うお金やドラッグだとおもった。なぜならあの御菓子。
あれは一度食べると、どんなに止めようとしても止められず、
食べ過ぎた者は最後には死んでしまうのだ。
お金や薬は最も人間が惹かれてしまうところだと思う。

ナルニアを作ったCSルイスは、そういうところで、読者たちに
そういう物に惹かれてはいけないよと忠告していたんだと思う。
しかし、エドマンドは、ある事がきっかけで更正し、何と
ゆくゆくは正義王と呼ばれるまでの素晴らしい青年となる。

そのある事とは、ナル二ア国の創造者、アスランの死である。
彼は、エドマンドの命と引き換えに自分の命を白い魔女に捧げ、
そして、死んでしまう。何故、何故、何の罪もない彼が死なねば
ならないのか?それは彼がエドマンドを愛していたからだ。彼は
ナル二アの全てを愛していたから、小さなエドマンドの犠牲に
なって死んでくれた。エドマンドは、その自分に向けられた深い愛
に気が付き、更正していくのだ。

ところで、CSルイスは、ナルニアに、CSルイスいわく
「クリスマスの時期に私たちの世界に来てくださった方」の仮の
姿を描き出していると言う。ここまで読んでくれた人たちはもう
わかっているかもしれないが、その方とは、他の人のために自分
の命を捨てられる人。その方こそ「クリスマスの時期に私たちの
世界に来てくださった方」なのだ。

僕はその方を知っているけれど、まだクリスチャンになって
いない人は、どの存在が「クリスマスの時期に私たちの世界に
来てくださった方」なんだろうと考えながら観ると、新たな
発見があるかもしれない。


by claraY | 2006-04-01 22:04 | R

Welcome!


by claraY