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「チョコレート工場の秘密」感想文by R

[書評部門] 『チョコレート工場の秘密』

R・ダール Q・ブレイク 柳瀬 尚紀 / 評論社
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これは、R(13歳)が書いた文章です。

図書館でふと目に止まり、手にとってみた
「チャーリーとチョコレート工場」。
ロアルド・ダールと言う名前に、聞き覚えが
あったからなのだ。そう、僕はロアルド・ダールの
「マチルダは小さな大天才」を読んだことが
あったのだ。

その作品が非常に面白かったので、それよりは面白く
ないだろうなとあまり期待せずに読んだのだが、読んで
いくうちに面白さがわかってきた。主人公の子供は、
一年に一回の誕生日にもらう、たった一枚の
チョコレートを数か月かけて、食べていくという
超絶な貧乏っぷり。しかし、そんな状況でも自分の
家族を心から愛している。




そんなある日、夢のお菓子工場の社長、
ウィリー・ウォンカが五人の子供をその工場に
招待すると公表する。ただし、入れるのは、
チョコレートに隠されているゴールデン・チケット
を当てた子供だけ。チョコレート大好きな
チャーリもそれを耳にして、心が浮き立つ。

しかし、実際には、ゴールデンチケットは入って
おらず、夢は潰えたかと思われた。そこで、
おじいちゃん登場。おじいちゃんが大切に取って
おいたお金をチャーリーに渡してくれるのだ。
こういうのっていいなぁとおもった。おじいちゃんは
言う。「このお金でもう一枚チョコを買っておいで」
ああ、当たってほしいなあ、と思ったが、外れだった。
そして、なんとひろったお金で、最後の
ゴールデン・チケットがあたってしまうのだ。

やった!と思った。
そして待ちに待ったその日、やってきた他の子達は、
それぞれが一つ一つ異なる人間の悪い所を持っていた。
最初に、食べてばっかりいる子、強欲。次に、何個も
賞を獲っている女の子、目立ちたがり屋。それから、
親に「あれが欲しい」、「これが欲しい,」と言う
我慢を知らない女の子、欲張り。そして、気持ち
悪いゲームが大好きな男の子、この子は、なんと
言うか、心が荒んでしまっているのだと思う。

これはあくまで僕の感想なのだが、人間にとって
一番大事なのは心だ。何か綺麗なものを見て
「うわあ、見てごらんよ。なんて綺麗なんだろうね」
とか、好きな人が死んでしまったりするときには、
素直に泣いたりできる。これが人間の持っている心
と言うものだ。しかし、この少年はその心が荒んで
しまっているのだ。

だからこの少年が綺麗なものを見たとしても
「へ。大した事ねえよ」と言うだろう。又この子の
好きな子が死んでも多分この子は「人が死ぬのは
仕方ないこと」と、あきらめてしまうだろう。
この子のほかの子達も、一人一人の持っている悪い
ところが災いしてどんどん脱落(?)していく。
僕はそういうところを読んで、この物語の純粋に
面白いところと、作者のロアルド・ダールが、
君もこういう人間の悪いところに気を付けるんだよ、
と言わんばかりのストーリーに深く共感した。

最後に幸せになる主人公チャーリー。
これもまた、人間にとって一番大切なのが綺麗で
純粋な心だとロアルド・ダールが僕たちに
語りかけているように思えてならない。

by claraY | 2005-09-27 08:48 | R

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